2023 年 55 巻 1 号 p. 121-128
学校教育では地域の伝統や文化について学習することの重要性が取り上げられつつ,各地域の実態に応じた教材化を図ることが求められている。地域教材は社会科を中心に生活科,総合的な学習にて多くの実践があるが,図画工作科や美術科においても実践は行われている。本研究では岐阜県内の小学校から高等学校までの図画工作科及び美術科の指導案と研究紀要,実践報告から地域教材の資料を挙げ,考察を行った。岐阜県の『教育研究資料目録』と岐阜県総合教育センター図書・教育資料室のホームページによる調査資料の総数は768件である。その結果,地域教材は57件である。考察した結果,地域教材の実践には(1)地域における文化の継承,(2)地域教材を通した児童・生徒の意欲関心の向上,(3)地域教材開発を通した教師の力量形成,(4)教科横断的な学びの4点が特徴として挙げられることが明らかとなった。