2025 年 57 巻 1 号 p. 233-240
本論は,中学校美術科における生徒の「主体的に学習に取り組む態度」(以下,「主体的学習態度」と表記)を可視化した分析する方法を検証し,提案するものである。具体的には,筆者らがこれまでの研究で示してきた自ら決定する学習である「Play」と教師や教科書等から習得する学習である「Direct Instruction」の関係を表した『学びの扇』による授業分析を行い,生徒の実態との関係性を考察する。調査は①『学びの扇』を用いたアンケートによる調査と,②生徒の撮影動画記録に基づく分析を行った。本論の成果は,三つある。一つ目は,本調査において『学びの扇』による分析結果と生徒の姿には共通点が確認できたことと,二つ目は,制作を通して取り組みたいことを考える傾向を強めたこと,三つ目は,自己決定して知識や技能を獲得する生徒は積極的に表現活動に向かう傾向があるということである。