2021 年 22 巻 p. 33-40
2011年東日本大震災は巨大な地震と津波、原子力発電所の事故との複合災害であった。その未曾有の災害は本学の教育にも大きな影響を与えた。被災地へのボランティア活動に始まり、千葉市との共同研究「拠点的福祉避難所運営訓練」、教育プログラムの体系化、そのうえで福祉避難所の指定となった。今回の研究はその経緯と4回目の運営訓練を通しての研究成果、そして2020年の新型コロナ感染拡大により例年の実地訓練ができず、机上の防災事前訓練授業を通して、介護福祉士養成における避難所運営訓練の在り方を考えた。介護福祉士は平時のみならず有事の際も人々の日々の暮らしを支える専門職であり、養成校時代から地域社会を意識させるには福祉避難所運営訓練等が有効であった。