都市地理学
Online ISSN : 2434-5377
Print ISSN : 1880-9499
論説
ニューヨーク市ブルックリン北部におけるジェントリフィケーション
—2000年代の変化—
藤塚 吉浩
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2015 年 10 巻 p. 34-42

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抄録

本稿では,2000 年代のブルックリンにおけるジェントリフィケーションの変化とその影響について検討した.ウィリアムズバーグにおける創造的活動を確認し,アーティストに利用される歴史的建造物や,倉庫を改装した音楽ホールがつくられるとともに,地区の工業景観をモチーフにしたブランド商品が開発された.イースト川沿いの工場や倉庫跡地の再利用のために,2005 年にゾーニングの変更が行われたが,一部の地域に効果は限られ,全域には及んでいなかった.アフォーダブルな住宅の供給により,許容される容積率は追加されたが,住宅の価格差が大きく,住民間の格差が顕在化した.規模の大きな開発は地域の住民構成を大きく変えることとなり,マイノリティの住民を立ち退きさせる結果となった.

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© 2015 日本都市地理学会
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