都市地理学
Online ISSN : 2434-5377
Print ISSN : 1880-9499
研究ノート
韓国地方都市の中心商業地における店舗構成の変化
-釜山大都市圏・梁山市を事例として-
兼子 純山元 貴継橋本 暁子李 虎相山下 亜紀郎駒木 伸比古全 志英
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2019 年 14 巻 p. 76-88

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抄録

人口減少と高齢化に伴って,日韓両国では地方都市における中心商業地の衰退が社会問題としてクローズアップされている.本研究は,韓国地方都市の中心商業地において店舗の閉店・開店が比較的活発に行われている点に注目した.そこで本研究は,韓国慶尚南道梁山(ヤンサン)市の「旧市街地」と「新市街地」を対象として2016 年と2018 年に実施した土地利用調査の結果をデータベース化し,中心商業地の店舗構成の特徴と,その変化とを究明することを目的とした.その結果,新旧市街地の業種構成の相違による,商業機能の役割分担を確認することができ,人口30 万規模の地方都市のレベルでも同一業種の店舗が特定地区に集積する様子が多数確認された.そして,2 年間に新旧市街地の調査対象店舗のうち約4 分の1 の店舗が変化し,とくに,同一業種で入れ替わった店舗の事例が最も多かった.また,空き店舗は少なく,条件の良い場所へと店舗を移転させる事例も多数進行していた.その要因としては,第一に,韓国は賃貸店舗の比率が高く,第二に,一般的に2 ~3 年単位で進行する賃貸契約更新時に賃貸料が上昇する可能性があり,第三に,韓国特有の「権利金」の存在が影響を与えうるという点を挙げることができる.このような,経済論理に基づいた出店が,韓国の地方都市の中心商業地を劇的に変化させる主要原因とみなせた.

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© 2019 日本都市地理学会
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