都市有害生物管理
Online ISSN : 2435-015X
Print ISSN : 2186-1498
原著
ヘリグロテントウノミハムシによるヒイラギモクセイの被害に及ぼす剪定時期の影響
内田 均竹内 将俊
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2021 年 11 巻 2 号 p. 59-68

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抄録

ヘリグロテントウノミハムシ Argopistes coccinelliformis はモクセイ科の植栽樹に著しい被害をもたらし,特に新葉を好んで加害する.ヒイラギモクセイ Osmanthus × fortunei を対象として 3 月,4 月,5 月に剪定する区(以下,3 月区,4 月区,5 月区とする)と無剪定区を設け,4 月上旬から 7 月上旬まで新葉の消長と本種による被害を調査した.調査期間中の新葉数,新枝数は 5 月区が最も少なく,次いで4 月区,3 月区,無剪定区の順となった.成虫による被害率と産卵率は,5 月 3 日の時点では 3 月区で高い傾向があり,新成虫が出現した 6 月以降は 4 月区で高かった.幼虫による被害率は 3 月区で高く,5 月区で低かった.これらのことから 3 月と 4 月の剪定は,新葉の展開を促進し結果的に被害を増大させるため,好ましくないと判断された.

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2021 都市有害生物管理学会
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