ヘリグロテントウノミハムシ Argopistes coccinelliformis はモクセイ科の植栽樹に著しい被害をもたらし,特に新葉を好んで加害する.ヒイラギモクセイ Osmanthus × fortunei を対象として 3 月,4 月,5 月に剪定する区(以下,3 月区,4 月区,5 月区とする)と無剪定区を設け,4 月上旬から 7 月上旬まで新葉の消長と本種による被害を調査した.調査期間中の新葉数,新枝数は 5 月区が最も少なく,次いで4 月区,3 月区,無剪定区の順となった.成虫による被害率と産卵率は,5 月 3 日の時点では 3 月区で高い傾向があり,新成虫が出現した 6 月以降は 4 月区で高かった.幼虫による被害率は 3 月区で高く,5 月区で低かった.これらのことから 3 月と 4 月の剪定は,新葉の展開を促進し結果的に被害を増大させるため,好ましくないと判断された.