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植生学会誌
Vol. 13 (1996) No. 2 p. 73-86

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http://doi.org/10.15031/vegsci.13.73

原著論文

  1. 九州地方のブナ林の組成分化の実態を明らかにするために,ブナ林と隣接群落から収集した450の植生調査スタンドを基に組成と環境要因の両面からの考察を試みた.
  2.群落組成の検討では,九州のブナ林の島状の分布形態を反映して隣接群落との組成的関連性が強かった.そのうちでも渓谷林との関係が密であった.DCA法による解析の結果では,1軸は温度,海抜高度と,2軸は地形を介した水分環境と高い相関がみられた.
  3.群落単位とDCA法の展開結果との関係でみると,第四紀の山岳では地形形成作用の歴史が浅く,立地環境の変化が小さいため,群落分化も進んでいないが,古生層の山岳では逆に多様な立地の形成を反映して,湿性に偏る多くの群落が発達していた.そして,第三紀の山岳はその中間的な性質であった.
  4.地質に関係して地形の発達程度が異なり,ブナ林内部の組成分化もこの影響を強く受けていた.特に古い地質の山岳では,湿性群落への分化が明瞭である.湿性群落への分化に強く影響を与えたのは,渓谷林に分布の中心を持つ襲速紀要素の種であった.

Copyright © 1996 植生学会

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