植生学会誌
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原著論文
プログ山(フィリピン、ルソン島)の山地林における樹木植生の垂直分布と構造
I. E. Jr. Buot沖津 進
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15 巻 (1998) 1 号 p. 19-32

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抄録

フィリピン・ルソン島のプログ山において植生垂直分布を記述した.植物地理学的特性をふまえて,それらを他の熱帯山地のものと比較しプログ山での特徴を検討した.以下の三つの植生帯が認められた. 1. Pinus林(2000-2400m. 2000-2300mはPinus純林, 2300-2400mはPinus-Deutzia-Schefflera林), 2. Lithocarpus-Dacrycarpus-Syzygium-Leptospermum林(2400-2600m), 3. Rhododendron^Clethra-Eurya林(2600-2700m).プログ山では,北方の温帯要素(Skimmia, Pinus, Ilexなど)が多く出現するため,フロラの特徴は,ルソン島南部や他のフィリピンの山地とは異なっていた.標高が増加するにつれて,種数,多様性,胸高直径,樹高などは減少する傾向にあった.垂直上部の植生帯における林冠優占種の多くは垂直下部の植生帯における林床構成要素であった.各植生帯の境界ははっきりしており,他の熱帯山地のように漸次的に変わるものではなかった.プログ山は,北方の温帯フロラの南限であり,また熱帯山地林において独自の森林型を呈する熱帯雲霧林の北限にあたる.

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© 1998 植生学会
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