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植生学会誌
Vol. 15 (1998) No. 2 p. 107-115

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http://doi.org/10.15031/vegsci.15.107

原著論文

  1.本州の最北端,青森県の津軽半島に発達するミズナラ林の種組成と分布傾向を調査した.その結果,ミズナラ-カシワ群落,ミズナラ-サワシバ群集,ミズナラ-オオバクロモジ群集を識別できた.
  2.ミズナラ-カシワ群落はクルマバソウ-カシワ群集に近い群落であるが種組成は異質の群落である.津軽半島のミズナラ-サワシバ群集は北海道のミズナラ-サワシバ群集とは組成的には異なる可能性がある.また,東北地方のミズナラ-サワシバ群集も同様に北海道のものとは異なる.ミズナラ-オオバクロモジ群集は日本海岸気候域に広く分布し,階層的には多雪地に強く結びつく木本類や草本類が低木層以下に生育することが特徴といえる.
  3.ミズナラ-オオバクロモジ群集は津軽半島内陸部に多く分布する傾向があり,ミズナラ-サワシバ群集は小泊村,平舘村,今別町などの津軽半島北部の渓谷沿いに局部的に分布している.ミズナラ-カシワ群落は岩木川,増川川,蟹田川などに起因する河岸段丘斜面や海岸近くの海岸段丘斜面などに分布している.
  4.気候要因との関連では,ミズナラ-オオバクロモジ群集は多雪,多湿,寒冷傾向の地域に分布している.ミズナラ-サワシバ群集は他の群落に比べ降雪量が少ない地域に分布しているが,地形要因,土地的要因などもはたらいているものと推測される.ミズナラ-カシワ群落の分布には季節風や海からの風が関係していることが推測される.

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