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植生学会誌
Vol. 15 (1998) No. 2 p. 139-145

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http://doi.org/10.15031/vegsci.15.139

原著論文

内蒙古草原のAneurolepidium chinenseの優占する群落において,放牧による種組成の変化を実験的に解明した.羊の放牧密度を変えた6つの実験区(0, 4, 8, 12, 16, 20頭/ha)で,1年間あたり45日間の放牧を7年間繰り返したあと,群落構成種を調査し,放牧圧に対する反応によって構成種を4つのタイプに分けることができた.タイプIは,放牧圧が高まるにつれて優占度を低くするAneurolepidium chineseとStipa grandisのようなタイプである.タイプIIは逆に,放牧圧が高まれば高まるほど優占度が高くなる種群で,Potentilla acaulisやCarex korshinskyiなどがこれに含まれる.タイプIIIはChenopodium aristatumなど,強度に放牧圧のかかるところで出現する種群である.Kochia prostrataやPotentilla tanacetifoliaなどは放牧圧にほとんど影響を受けない種群で,これらをタイプIVとした.タイプIIの種の相対優占度が高いところでは草原は後退の兆候を示しており,タイプIIIの種が出現する12頭区以上の区では,平均群落高が6cm以下となり種多様性指数H'も急激に減少し,草原の後退が進むと判断された.

Copyright © 1998 植生学会

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