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植生学会誌
Vol. 16 (1999) No. 1 p. 69-81

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http://doi.org/10.15031/vegsci.16.69

原著論文

青森県の小川原湖において1995年と1996年の夏に,沈水植物群落を対象とした植生調査を行った.初年度は船上からのサンプリング,次年度はスキューバを用いた潜水による目視調査であった.調査は11地点で行い,61の植生調査資料を得た.調査には漁船を利用し,ソナーによって群落の分布水深を把握するとともに,透明度と照度の測定,簡易水質計による水質測定を船上から行った.シャジクモ類を含む沈水植物21種類の生育を確認したが,そのうち9種類は絶滅危惧種であった.主成分分析の結果と環境特性の分布とから,小川原湖の沈水植物群落は,ホソバミズヒキモやイバラモなどからなるスタンド群とヒロハノエビモやツツイトモなどからなるスタンド群とに大きく分かれることがわかった.前者は河川が流入する湖南部付近の透明度が低く基質が泥質の水域に分布が限られていた.後者は小川原湖に広く分布するが,砂泥質の深水域で見られる群落は2,3の限られた種だけからなり,より浅い砂地の水域ではヒメホタルイ,セキショウモ,オトメフラスコモを追加し,さらに北部の流出口に近く海水の影響を受ける透明度の高い水域では,コアマモ,カワツルモ,リュウノヒゲモを構成種に加えるようであった.

Copyright © 1999 植生学会

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