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植生学会誌
Vol. 17 (2000) No. 1 p. 31-38

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http://doi.org/10.15031/vegsci.17.31

原著論文

  1.静岡県富士市浮島ヶ原において,埋土種子集団と植生の比較をおこない,両者の組成の特徴を明らかにした.
  2.埋土種子集団の構成種は,浮島ヶ原における植生の構成種に限られていた.しかし,植生中の種すべてが埋土種子集団を形成しているわけではなかった.
  3.カヤツリグサ科植物は土壌中に種子を蓄積していたが,イネ科植物(チゴザサを除く)は種子を蓄積をしていないという傾向がみられた.
  4.地上部の植生と埋土種子集団の組成上の類似性が高まったことの理由として,冬季の低温と定期的に加えられる人為的撹乱(刈取り)により,埋土種子の存続性が低くなったことが考えられた.
  5.チゴザサ以外の単子葉植物ではいずれも種子発芽個体はみられなかったものの,植生中に普通にみられる双子葉植物では,ほとんどの種で種子発芽個体が観察された.刈取りによりもたらされる裸地的な環境が,特に双子葉植物の個体群維持に有効に働いている可能性が示唆された.

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