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植生学会誌
Vol. 18 (2001) No. 2 p. 75-85

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http://doi.org/10.15031/vegsci.18.75

原著論文

  1.奥秩父の渓畔林で,種組成的に区分された植生単位が,高木性樹木のシオジ,サワグルミ,カツラの生育立地を指標しているかどうかを明らかにすることを試みた.
  2.本渓畔林は,植物社会学的にイワボタン-シオジ群集に位置づけられた.その下位単位には(1)オオイタヤメイゲツ亜群集,(2)ギンバイソウ亜群集が認識され,ギンバイソウ亜群集はさらにa)典型変群集とb)カンスゲ変群集に分けられた.オオイタヤメイゲツ亜群集は土石流堆積地に,ギンバイソウ亜群集典型変群集はV字谷の崖錐や谷底に,ギンバイソウ亜群集カンスゲ変群集はV字谷の支尾根や斜面に分布していた.
  3.高木性樹木の分布に関しては,シオジは全域で優占するものの土石流堆積地では特に優占し,サワグルミは扇状地や土石流堆積地の中でまとまって,カツラはV字谷に多く分布していた.このため,シオジの優占はオオイタヤメイゲツ亜群集とギンバイソウ亜群集域の両方で,サワグルミはオオイタヤメイゲツ亜群集誠に,カツラはギンバイソウ亜群集分布域でみられた.
  4.サワグルミやカツラなど優占樹種の分布は種特有の更新サイトを反映しており,そうした立地の特性を反映している植生単位は,優占樹木の更新サイトを指標する可能性がある.

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