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植生学会誌
Vol. 18 (2001) No. 2 p. 87-97

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http://doi.org/10.15031/vegsci.18.87

原著論文

  1.亜高山帯の最下部に位置する長野県梓川上流域に点在するブナ林冠木の分布図を空中写真判読と現地調査から作成し,その特徴を地形・地質条件との関係から検討した.
  2.ブナは花崗岩地域と,中生界堆積岩地域のうち花崗岩に接する場所に分布し,また山腹斜面の遷急線より下方に位置する崩壊性斜面,崖錐,沖積錐に偏在していた.
  3.遷急線は後氷期開析前線であると推定され,本地域のブナの分布域は,後氷期における山地斜面の開析の進行にともなって拡大されてきたと考えられる.
  4.ブナが遷急線より下方に分布する原因として,そこで発生する崩壊や土石流が土壌条件や光環境を改善する方向に働く可能性を指摘した.崩壊の発生頻度は地質によって異なり,このことがブナの地質地域による分布の違いに現れていると考えられる.

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