J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

植生学会誌
Vol. 18 (2001) No. 2 p. 107-117

記事言語:

http://doi.org/10.15031/vegsci.18.107

原著論文

  1. 石狩低地帯に残存するハンノキ,ヤチダモ,ハルニレが優占する湿生林に30の調査区を設定し,胸高直径5cm以上の樹木個体を対象に毎木調査,維管束植物について植物社会学的な調査を行なった.
  2. 30調査区から得た植生資料および文献から得た10の植生資料を用いて表操作を行った結果,ハルニレ-ハシドイ群落(3つの下位単位を含む)とヤチダモ-ミズバショウ群落(3つの下位単位を含む)に区分された.この2つの群落は,それぞれハルニレ群団のハシドイ-ヤチダモ群集およびミヤマベニシダ-ヤチダモ群集に対比可能であった.
  3. 調査区間の種組成の違いは,除歪対応分析から得た散布図上の1軸によく反映されていた.各調査区の1軸のスコアと気候環境(暖かさの指数,積雪50cm以上の年間日数,日本海指数)との間に相関が認められ,ヤチダモ-ミズバショウ群落からハルニレ-ハシドイ群落へ向かい,より寒冷・寡雪になる傾向が認められた.
  4. 2群落の種組成の違いは,気候環境の背腹性が優占するササ属植物の種を規定し,その生育を通じて間接的に他の植物の出現を支配した結果である可能性を考察した.
  5. 調査区間の均等度は1軸と相関を示し,ヤチダモ-ミズバショウ群落からハルニレ-ハシドイ群落へ向かい大きくなる傾向がみられた.
  6. 均等度で指標される2つの群落構造の違いは,気候環境の背腹性だけでなく,上譲条件にも支配されていた.

Copyright © 2001 植生学会

記事ツール

この記事を共有