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植生学会誌
Vol. 19 (2002) No. 1 p. 1-10

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http://doi.org/10.15031/vegsci.19.1

原著論文

比良山系の蓬莱山(滋賀県)山頂付近にあるイブキザサ草原において植生調査を行い,優占種であるイブキザサの高さや被度の違いが共存種にあたえる影響を検討した.イブキザサは斜面下部で丈が高く,密生した.しかし,尾根に向かって高さが低下した.また,刈り払いやノウサギによる食害をうけると高さと被度の両方が低下した.草本は,斜面下部で種数が少ないだけでなく,被度が1%を越える種はなかった.しかし斜面上部や,刈り払いのある所では,合計被度,種数ともに増加した.このことはイブキザサの競争排除能力は,生育適地では大きいこと,しかしイブキザサの生育量の減少とともに低下することを示す.一方,低木層の木本は,イブキササが食害をうけている場所では増えたけれども,斜面下部から尾根にむかって増えることはなく,刈り払いがある所でも増えることはなかった.イブキササの高さや被度が小さくなると木本が必ずしも増えなかった理由は,冬期の強風や刈り払いに対して,木本か弱いことにあると考えた.

Copyright © 2002 植生学会

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