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植生学会誌
Vol. 19 (2002) No. 1 p. 11-23

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http://doi.org/10.15031/vegsci.19.11

原著論文

本州西南山地における放棄草地の二次植生について,1998年の夏に植生調査を行い,遷移段階を比較した.放棄複0-2年後の草地は植物種数が最も少なく,単層の植生構造であった.低木群落(放棄後32年)は,低木層と草本層の2層からなり,イヌツゲ,ススキ,ネザサが優占種で,高木種の幼植物が低木層の中に散在していた,若齢の二次林(放棄後20-30年)は,3-4層の構造を持ち,樹冠はアカマツで占められ,時々リョウブを伴った.壮齢二次林(放棄後33年)は,高木層から草本層までの4層構造が発達し,コナラとクリが優占種であった.概略的にみると,放棄草地の二次植生の構造は,放棄されてからの年数に規定される.放棄した後の年次が増すにつれ,植生の高さは増大し(最大25m),構造が複雑化した(4層の垂直構造).また,優占度(DD)と基底面積(BA)のいずれも極相林(DDは7438, BAは6109cm^2/100m^2)まで遷移の進行とともに増大した.一方,草本層の植被率は,合計植被率が遷移初期からほぼ一定であったにもかかわらず,極相林の18.3%まで遷移の進行につれて減少した.遷移中期において,種数(放棄後32年の尾根群落で40種/100^2),樹幹の密度(放棄後30年で115±52/100m^2),枯死木の割合(放棄後33年で樹幹密度は11.8%, BAは6.5%)が最大に達した.

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