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植生学会誌
Vol. 20 (2003) No. 1 p. 31-42

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http://doi.org/10.15031/vegsci.20.31

原著論文

  1.照葉樹林の種組成・種多様性と微地形条件・土壌条件との対応関係を明らかにするために,宮崎県東諸県郡綾町川中において,植生調査および土壌調査を行った.
  2.調査地の微地形単位を麓部斜面,下部谷壁斜面,上部谷壁斜面,頂部斜面,岩角地の5タイプに区分し,各微地形単位ごとに225m^2の調査区を3-7区(合計26区)設置して植生調査を行った.岩角地を除く微地形単位において土壌調査を実施した.
  3.調査区を微地形単位による5つのスタンド群にまとめ,各々の種の各スタンド群における出現頻度と平均被度を算出した.それらをもとに各々の種の分布の中心によって出現種を8群に区分した.
  4.今回得られた微地形条件に対する出現種の分布傾向は他地域の結果とよく一致した.同属の植物間では分布の中心が異なる例が多数認められた.
  5.種多様性(species richness)は麓部斜面がもっとも高く,頂部斜面に向かうにつれて低下した.麓部斜面の高い種多様性は照葉低木や多年生草本類の豊かさによっていた.
  6.土壌調査の結果,斜面最下部にあたる麓部斜面で容水量,採取時水分量が相対的に低く,それより上部の微地形単位で高くなる傾向が認められた.麓部斜面でもっとも高い数値を示したのは最小容気量であった.最小容気量の高い数値は土壌の発達を示しており,麓部斜面の豊かな種多様性は,発達した良好な土壌によると考えられた.

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