J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

植生学会誌
Vol. 20 (2003) No. 2 p. 71-82

記事言語:

http://doi.org/10.15031/vegsci.20.71

原著論文

  1.常時満水位(EL.326.0m)以上を伐採せず試験湛水を迎えた福島県三春ダム貯水池湖岸の斜面において,試験湛水による群落組成の変化を追跡した.
  2.調査対象とした斜面は,クリ-コナラ林であり,低木層・草本層にはニッコウザサ,アズマネザサ,ニシキギ等が生育していた.
  3.冠水日数53日以上の斜面において,湛水終了の翌年から高木層で枯死する個体も見られ,植被率が低下した.冠水日数37日程度までの斜面ではクリ-コナラ林では高木への影響は少ないと考えられた.
  4.低木層・草本層に対する試験湛水の影響が明らかに及んだ範囲は,相観的にも種組成の変化が顕著な範囲,冠水日数が37日程度,EL.326.0-329.0m,常時満水位時の汀線より標高差で3m程度であった.
  5.群落組成の変化の主な要因は,試験湛水に伴う高木,低木,草本の枯死や,高木層の植被率の低下等,日照条件の変化が大きいと考えられた.
  6.試験湛水により冠水した標高差7mのうち,斜面上部に位置する4mの範囲(EL.329.0-333.0m),冠水日数37日程度までの斜面は,高木の枯死はなく,低木層・草本層の変化も少なく,樹林は維持された.

Copyright © 2004 植生学会

記事ツール

この記事を共有