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植生学会誌
Vol. 23 (2006) No. 1 p. 13-24

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http://doi.org/10.15031/vegsci.23.13

原著論文

奥秩父大山沢流域において,微地形の違いが植生単位の分化と生活形組成とに与える影響を検討した.大山沢流域の微地形は頂部斜面,上部谷壁斜面,下部谷壁斜面,谷底面に区分された.植物社会学的群落分類の結果,ヤマタイミンガサ-サワグルミ群集(オオイタヤメイゲツ亜群集,ギンバイソウ亜群集),スズタケ-ブナ群集(典型亜群集,オクモミジハグマ亜群集),アズマシャクナゲ-ヒノキ群集が認められた.コドラート内多様性と微地形単位内多様性をみると,樹木では,土壌攪乱がほとんどみられない上部谷壁斜面と頂部斜面で種多様性が高いのに対し,林床植物では,土壌攪乱が高頻度で起こる下部谷壁斜面と谷底面で種多様性が高かった.スズタケ-ブナ群集とアズマシャクナゲ-ヒノキ群集の識別種群には,それぞれ頂部斜面,上部谷壁斜面に分布する樹木が多く含まれており,ヤマタイミンガサ-サワグルミ群集の標徴種群には下部谷壁斜面や谷底面に分布する林床植物が多く含まれていた.このように微地形単位間で種多様性を比較すると,その傾向は生活形によって異なっており,これによって特異な生活形・種組成をもつ植生単位が微地形単位に応じて成立していると考えられた.

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