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植生学会誌
Vol. 23 (2006) No. 1 p. 69-78

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http://doi.org/10.15031/vegsci.23.69

原著論文

  1. 奈良公園平坦域の森林植生においてニホンジカの樹皮剥ぎに関する調査を行い,シカの樹皮剥ぎを樹種選択,樹木のサイズ選択および空間的環境傾度との関係から検討した.
  2. 奈良公園において樹高1.3m以上の樹木39種1041本について樹皮剥ぎの有無などを調査した結果,31種352本で樹皮剥ぎが確認された(樹皮剥ぎの個体数比率33.8%,種数比率79.5%).
  3. シカの樹皮剥ぎ樹木に対する嗜好性の指標としてIvlevの選択性指数Eを算出した結果,サルスベリ,サンゴジュ,イヌマキ,アセビなどが正の選択性を,クロマツ,ケヤキ,ナンキンハゼ,シラカシ,イチョウ,イヌシデ,ウメなどが負の選択性を示した.
  4. 全調査樹木(樹高1.3m以上)において,シカによる樹皮剥ぎは小径木で行われる傾向が認められたが,樹種別にみた場合,樹皮剥ぎのサイズ依存性は認められなかった.
  5. 春日山原始林あるいは若草山からの距離と不嗜好性種群(E≤-0.3)の個体数比率との間には有意な正の相関が,逆に,市街地からの距離と不嗜好性種群の個体数比率との間には有意な負の相関が認められ,シカの樹皮剥ぎと空間的環境傾度との関係が示唆された.

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