J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

植生学会誌
Vol. 24 (2007) No. 1 p. 29-40

記事言語:

http://doi.org/10.15031/vegsci.24.29

原著論文

乗鞍岳の標高800mから3000mにおいて,木本植物(樹高1.3m以上),草本とシダの林床植物の標高傾度にそった植生変化を調べた.クラスター解析から,木本植物の植生はおおまかに3タイプに区分できた.山地帯落葉広葉樹林(標高800m-1600m),亜高山帯針葉樹林(標高1600m-2500m),そしてハイマツ低木林(標高2500m-3000m)である,草本とシダの林床植物も標高によって変化したが,それらの植生変化は木本植物とは一致しなかった.林床植物の植生はとくに標高1400mから2800mの広い範囲でクラスターを形成していた.ただし標高1400mから2000mではササが優占していたため,この標高帯で植生のサブクラスターが認められた.木本植物の種数は標高が高くなるにしたがい減少したが,林床植物ではそのような傾向は認められなかった.また,ササが優占している標高帯では,木本と林床植物の種多様度指数は減少した.したがって,この研究では,標高傾度にそった植生変化は木本植物と林床植物(草本,シダ)によってパターンが異なる,そして種多様性は標高だけでなくササによっても影響されることが示唆された.

Copyright © 2007 植生学会

記事ツール

この記事を共有