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植生学会誌
Vol. 24 (2007) No. 1 p. 41-52

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http://doi.org/10.15031/vegsci.24.41

原著論文

  1. 北摂地域の萌芽林において,遷移の進行に伴う常緑植物の量と種多様性および種組成との関係を明らかにすることを目的にして,常緑植物が少ないクヌギ群落,低木層で常緑植物が優占しつつあるコナラ群落,高木層および低木層で常緑植物が優占したアラカシ群落において植生調査を行った.
  2. 常緑植物積算被度と全出現種数,全階層の夏緑植物種数,草本層の出現種数および草本層の夏緑植物種数との間にはそれぞれ有意なやや強い負の相関関係が認められた.
  3. DCAの第1軸と第2軸により調査区を配置したところ,アラカシ群落でややばらつきがあるものの,優占種による群落区分と種組成による序列とがほぼ一致していた.固有値が大きく種組成の分化を最もよく表しているDCAの第1軸と常緑植物積算被度との間には,有意なやや強い正の相関が認められた.
  4. 100m^2あたりの出現種数はクヌギ群落(50.8種),コナラ群落(41.2種),アラカシ群落(19.3種)の順で多く,出現種数はクヌギ群落とアラカシ群落との間およびコナラ群落とアラカシ群落との間で有意な差があった.それぞれの群落に特徴的に出現していた種をみると,クヌギ群落では38種のうち33種,コナラ群落では15種のうち11種,アラカシ群落では11種のうち2種が夏緑植物であった.
  5. 常緑植物積算被度の増加による光環境の悪化によって耐陰性の低い種の生育が妨げられたたため,種多様性の減少と種組成の変化がおこったと考えられた.

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