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植生学会誌
Vol. 24 (2007) No. 2 p. 73-83

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http://doi.org/10.15031/vegsci.24.73

原著論文


  1. 宮崎県綾町川中の照葉樹林において,照葉樹の樹幹・枝上に生育する植物(着生植物,つる植物,寄生植物)の調査を行い,着生植物の種多様性(種数)と照葉樹のサイズ,樹種との関係を考察した.
  2. イチイガシ,コジイ,タブノキ,イスノキなどの照葉樹24種,168個体に付着する植物を調査し,ノキシノブ,マメヅタ,フウラン,カタヒバなどの着生植物20種,テイカカズラ,ヒメイタビ,イタビカズラなどのつる植物11種,オオバヤドリギの寄生植物1種を確認した.
  3. 各々の照葉樹種に対する固有の着生植物の種組成は認められなかった.
  4. 着生植物種数(種多様性)とDBHあるいはH×胸高周囲とは有意な高い正の相関が認められ,出現種数とDBH(全樹種,イチイガシ,コジイ,タブノキ)との有意な回帰式(y=0.07x-1.45,y=0.08x-0.56,y=0.06x-1.96,y=0.06x-0.02)を得た.回帰式は宮崎県中部一帯の照葉自然林,照葉二次林には適用できなかった.
  5. 着生植物種数とDBHを両軸とする座標上に各調査木を配置し,その点上に着生植物の有無を種別に示した.着生植物の分布の傾向をもとに3つの種群を区分した.
  6. 照葉自然林および照葉二次林において着生植物の種多様性が低いのは,照葉自然林,照葉二次林では着生植物の供給源が失われているためと考えられた.
  7. 大径木の存在と着生植物の多様性は,照葉樹林の自然性を評価する指標として優れており,調査地の照葉樹林は,栗野岳,大森岳,竜良山,春日山の照葉樹林と同じく原生状態にあると推定された.

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