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植生学会誌
Vol. 25 (2008) No. 1 p. 25-35

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http://doi.org/10.15031/vegsci.25.25

原著論文

  1. 水平分布の北限と垂直分布の上限の照葉樹林の種組成・種多様性を比較し,両者の相違を環境条件から考察した.
  2. 日本海側の北限においては秋田県,山形県,新潟県で26調査区,太平洋側の北限においては岩手県,宮城県で39調査区,上限においては栗野岳,紫尾山,高隈山で14調査区の調査を行った.
  3. DCA法によって79調査区を序列した結果,北限群と上限群の照葉樹林は各々異なった位置に序列された.
  4. 群落識別表によって北限群と上限群の照葉樹林の種組成を比較すると,北限群はタブノキ,オニヤブソテツなどの10種,上限群はアカガシ,シキミなどの16種によって区分された.北限群の識別種は準低温と潮風に耐性を持ち,上限群の識別種は低温に耐性を持つが潮風に耐性を持たないことが明らかとなった.
  5. 北限群と上限群の照葉樹林の生活形組成を比較すると,北限群は常緑多年草,上限群は照葉小高木,常緑着生シダの比率が高いことによって各々特徴づけられた.
  6. 照葉樹林の種多様性を比較すると,100m^2あたりの照葉樹林構成種数および県別・地域別の照葉樹林構成種数において北限の方が上限よりも少なかった.北限では低温条件以外に潮風条件が働くために,上限よりも種多様性が低いと考えられた.

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