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植生学会誌
Vol. 25 (2008) No. 1 p. 37-50

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http://doi.org/10.15031/vegsci.25.37

原著論文


  1. 河原の減少と高水敷化の進行が全国的に問題化しつつある中で,多摩川中流域に造成された礫河原における再生植生のモニタリングから,その動向および植生と立地環境との関係を解析した.
  2. 永久コドラートを設置し,植生については全出現種の種名,被度,草丈を,立地環境については礫径,礫の埋まり度,礫間を埋める細粒物質の割合,粒径組成,全炭素・窒素含有量を測定し植生と立地環境の対応関係を調べた.
  3. 2004年8月の調査データをもとに,群落タイプ区分を行った結果,ツルヨシ型,マルバヤハズソウ型,オニウシノケグサ型,メドハギ型,ヨモギ型,ハリエンジュ型の6型に区分され,これらの群落タイプは礫数,礫の堆積相,礫間の細粒物質(マトリックス)の割合などの表層礫の状況や土壌粒径組成に対応がみられた.
  4. 遷移の進行が遅い低茎草本群落のマルバヤハズソウ型は浮石状態か礫体の半分以上が表層に現れている礫で構成され,表層の礫層下部にはシルト・粘土分画の割合が比較的高い,硬い土壌の層が形成されているなどの条件のもとに成立した群落タイプであった.ハリエンジュ型はシルト粘土分画が極端に低く,遷移度が高かった.
  5. 持続可能な礫河原植生の再生を目指した自然再生事業では,造成以前の植生および表層下部の礫層についての検討の結果,礫間にマトリックスが堆積しないような礫で構成され,造成後の出水による土砂の堆積が生じにくい礫河原を造成することが重要である.

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