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植生学会誌
Vol. 27 (2010) No. 1 p. 1-9

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http://doi.org/10.15031/vegsci.27.1

原著論文

  1. 九州北部,すなわち長崎県を中心に大分県,福岡県,佐賀県,熊本県の島嶼の植物を調べ,本土側に比べ島嶼に多く分布する植物,すなわち島嶼偏在植物を確認するとともに,それらの分布と生態を調べた.
  2. 島嶼の環境として,島の面積と人口の関係を調べると共に,面積が1km^2以下の島において,気象データのある2島の1月の平均気温をそれぞれ同緯度の本土側の3地点と比較した.
  3. 島嶼偏在植物としてハカマカズラ,キノクニスゲ,ビロウ,ミヤコジマツヅラフジ,サツマサンキライの5種を認め,それらの分布図と島面積の階級クラス別の生育島嶼数を図に示した.
  4. 全体の生育島嶼数の中で,面積が1km^2未満の島に生育している割合を島嶼率とし,それらの植物の島嶼率を調べた結果,50-70%であった.
  5. 島嶼偏在植物は,キノクニスゲを除くと亜熱帯性の植物で,本地域は北限地帯である.また,ハカマカズラ,ミヤコジマツヅラフジ,サツマサンキライは大型のつる植物で,マント群落を形成する種である.
  6. 島嶼に偏って分布している理由として,島嶼は同緯度の本土側に比べて冬期に暖かいこと,人為の影響が少なく,自然度が比較的高いこと,台風の影響を受けやすく土壌が浅いことが主要な原因と考えられた.

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