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植生学会誌
Vol. 27 (2010) No. 1 p. 35-42

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http://doi.org/10.15031/vegsci.27.35

短報

  1. 宮崎県東諸県郡綾町川中の照葉原生林において,シカの採食による顕著な被害が発生する以前の1988年当時の植生調査資料と激しい被害を受けている2009年現在の植生調査資料とを比較し,照葉原生林の階層構造,種多様性,種組成へのシカの採食の影響を調査した.
  2. 階層構造についてはシカの採食によって,第2低木層と草本層の平均植被率がそれぞれ約1/2,1/5に大きく減少した.
  3. 階層別の種多様性については全階層と第2低木層において平均照葉樹林構成種数がそれぞれ約3/4,1/2に大きく減少した.
  4. 生活形別の種多様性については照葉高木,照葉低木,照葉つる植物,多年生草本において平均種数がそれぞれ2.4種,3.8種,1.2種,2.4種減少した.
  5. 減少種数は25種,消失種数は35種,増加種数は6種,新入種数は33種となり種組成は変化した.
  6. 他地域から報告されている不嗜好性植物と比較した結果,増加種のうちバリバリノキ,マンリョウ,マムシグサなどの12種が本調査地の不嗜好性植物と認められた.
  7. 本調査地の照葉原生林の階層構造,種多様性,種組成はともにシカの採食によって大きな被害を受けており,照葉原生林の保全対策が望まれる.

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