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植生学会誌
Vol. 28 (2011) No. 2 p. 95-111

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http://doi.org/10.15031/vegsci.28.95

原著論文

1.高知県海岸部の夏緑広葉樹林の植生資料の種組成を解析し,タイキンギク-エノキ群集を記載した.タイキンギク-エノキ群集はクサギ-アカメガシワ群団に属し,センダン-ハマセンダン群集は群落相観が類似した.しかし,タイキンギク-エノキ群集とセンダン-ハマセンダン群集の間には,互いの標徴種,区分種によって明瞭な種組成の差異が示された.
2.タイキンギク-エノキ群集の区分種には,常緑広葉樹林ウラジロガシ-ホソバタブ群落と共通する種が含まれた.この共通種はタイキンギク-エノキ群集,ウラジロガシ-ホソバタブ群落以外の四国沿岸部の森林群落には,出現頻度が低かった.
3.タイキンギク-エノキ群集は,高知県のヤブツバキクラス域からも報告されている夏緑広葉樹林のオニシバリ-コナラ群集,クヌギ-コナラ群集,ムクノキ-エノキ群集とも種組成が比較された.その結果,オーダー,群団,群集の標徴種,区分種による種組成の違いが示された.
4.タイキンギク-エノキ群集はその階層構造が分化しており,階層構造が未分化の遷移途上の林分とは異なった.また,生育立地は不安定であり,このため,タイキンギク-エノキ群集は不安定立地の持続群落と考えられた.
5.タイキンギク-エノキ群集は高知県中西部に分布し,高知県西南部に分布するセンダン-ハマセンダン群集と分布域が重なることはなかった.

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