植生学会誌
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原著論文
八丈島における照葉樹林の成立要因 : 特に土地利用について
服部 保南山 典子栃本 大介石田 弘明黒田 有寿茂
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29 巻 (2012) 1 号 p. 27-39

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抄録

1. 東京都八丈島(一部御蔵島を含む)に分布する照葉樹林の種組成,階層構造,種多様性,生活形組成および成立要因について調査を行った.
2. 八丈島の照葉樹林は自然性,優占種,分布地,立地条件の組合せによって,御蔵島・三原山のスダジイ自然林(I),三原山のスダジイ半自然林(II),八丈富士のスダジイ半自然林(III),八丈富士のタブノキ半自然林(IV)の4樹林に区分された.
3. 識別表によって抽出した4つの植生単位と自然性,優占種,分布地,立地条件で区分した4樹林およびDCA法による序列の結果は一致した.
4. 階層構造,種多様性,生活形組成(着生植物)において,自然林であるIと半自然林であるII, III, IVとは大きな差が認められた.
5. I, II, III, IVの種組成は各々識別種によってお互いに区分された.
6. 八丈富士のタブノキ半自然林(IV)は畑,切替畑等に由来する比較的近年に成立し,薪炭林として持続した樹林であり,八丈富士および三原山のスダジイ半自然林(II, III)は古くより薪炭林として利用されてきた樹林と認められた.
7. 八丈富士のタブノキ半自然林と三原山のスダジイ半自然林という樹林タイプの違いは新旧の火山活動を直接反映したものではなく,侵食されていないスコリア堆積面の存在と近年まで切替畑や薪炭林として利用されていたことによると考えられた.

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© 2012 植生学会
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