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植生学会誌
Vol. 30 (2013) No. 2 p. 85-93

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http://doi.org/10.15031/vegsci.30.85

原著論文

1.モンゴル・フスタイ国立公園におけるステップ植生への保護区設置効果を評価するために,国立公園内外の植生の比較を行った.
2.公園内では1993年から家畜の放牧が禁止されており,公園外に位置するバッファーゾーンでは家畜の放牧が継続されている.
3.公園内8スタンドとバッファーゾーン25スタンドの計33スタンドで植生調査を行い,種数,植物群落高,植被率,種組成の比較を行った.
4.種数,植物群落高,植被率の値はバッファーゾーンより公園内で有意に高かった.種数に違いが見られたのは,自然保護区化以前から牧民により一定の保護がなされていたため,植物種の供給源が残っていた可能性がある.
5.序列化の結果,公園内とバッファーゾーンのスタンドはそれぞれ分かれて配置されており,種組成についても公園内外で違いが見られた.これは,共通して出現した種の出現頻度が,家畜の採餌による直接的な影響と優占種等の被度の変化による間接的な影響により変化したと考えられる.
6.公園内とバッファーゾーン間でみられた植生構造や種組成の相違は,保護区設置による効果であると評価できる.そして,これらの相違は,公園内における放牧禁止による植生回復と,バッファーゾーンにおける自然保護区指定以前からの植生の劣化の両方によると考えられた.

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