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植生学会誌
Vol. 30 (2013) No. 2 p. 95-117

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http://doi.org/10.15031/vegsci.30.95

原著論文

1.高知県中西部からウラジロガシ-ホソバタブ群落(宮崎2010)として報告されていた植生資料を,既存の常緑広葉樹林の資料1089点と比較して,群集同定を行った.その結果,既存のどの群集とも組成が異なったため,新群集ホソバタブ-ウラジロガシ群集として記載した.
2.ホソバタブ-ウラジロガシ群集はその種組成から,上級単位はタイミンタチバナ-スダジイオーダー,イズセンリョウ-スダジイ群団に同定された.しかレアカガシ-シラカシ群団の区分種も出現し,アカガシ-シラカシ群団の群集との種組成的な共通性も認められた.
3.ホソバタブ-ウラジロガシ群集の植分は4層構造からなり,優占種にはスダジイ,ウラジロガシ,クスノキ,ヤブツバキなどがあった.林冠構成種のスダジイ,ウラジロガシ,クスノキは実生を除いて,第2層以下へは出現しなかった.また,高木種であるホソバタブ,イヌガヤが林冠構成種にならず,主に第3層(高さ2-5m)に出現した.
4.植分の一例,中土佐町加江崎での観察では,1970年代末以来,林冠高,第3層の階層の高さ,第4層の被度などに目に見える変化はなく,その群落構造は安定していた.
5.ホソバタブ-ウラジロガシ群集の生育立地は海岸近くの急峻な地形であった.しかし,隣接群落のタイキンギク-エノキ群集が崩壊地などの限られた立地に成立していたのに対し,ホソバタブ-ウラジロガシ群集は安定した立地にも成立し,地域規模に広がっていた.
6.ホソバタブ-ウラジロガシ群集の分布は高知県中西部と九州西部(先行研究の引用)で確認された.

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