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植生学会誌
Vol. 31 (2014) No. 1 p. 37-49

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http://doi.org/10.15031/vegsci.31.37

原著論文

1.多摩川中流域において過去40年間で最大規模の台風による増水によって,植生がどのように変化したかを検討した.
2.台風後はヨシクラスを除くほとんどの植生が占有面積を減少させた一方で,自然裸地や開放水域の占有割合が増加した.
3.ヨシクラスの植生のうち,オギ-ヨシ群団は占有面積が減少したが,セリ-クサヨシ群団は占有面積が増加した.
4.台風前後で群落が維持された面積の割合は,タウコギクラスの植生で約6.3%,シロザクラスの植生で約45.4%と少なかった一方で,これら植生は新たに陸地化した領域や元々自然裸地であった場所に,新たな分布がみられた.
5.台風後に植生変化がみられた場所は流水辺に限定的であり,新旧流路から離れた場所の植生変化は少なかった.
6.カワラノギクやカワラハハコなどの礫河原特有の絶滅危惧植物群落を含むカワラハハコ-ヨモギ群団の分布域拡大はほとんどみられず,現在の多摩川における大規模な増水の発生は,これら植生の拡大を促す要因となる可能性は低いと考えられる.

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