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植生学会誌
Vol. 32 (2015) No. 1 p. 57-63

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http://doi.org/10.15031/vegsci.32.57

短報

1. 樹上に着生する木本植物の種組成と群落構造を定量的に明らかにするために,屋久島の針広混交林において,江戸時代の伐採後に更新したスギ(更新木)および伐採されなかったスギ(残存木)各1 個体にロープをかけ登り,直接測定による調査を行った.
2. 更新木には計4 種8 個体の木本植物しか着生していなかったが,残存木には計12 種391 個体が着生していた.
3. 残存木の樹上において,サクラツツジは幹の下部に多く着生しており,アクシバモドキは樹冠下層中層,ナナカマドは樹冠上層,といった着生種の階層化がみられた.
4. 樹上で個体数の最も多かったアクシバモドキとナナカマドのサイズ構造はL 字型の頻度分布を示し,地上にはほとんど存在しなかったことから,樹上で自然更新していると考えられた.
5. 本調査地のように過去に伐採された森林においては,残存木が地上には存在しない種の逃避地の機能を果たし,森林の種多様性の豊かさに貢献している可能性があり,残存木を保護することによって,森林の種多様性保全に貢献できると考えられる.

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