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植生学会誌
Vol. 33 (2016) No. 2 p. 81-87

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http://doi.org/10.15031/vegsci.33.81

短報

 ニワウルシ(Ailanthus altissima)は世界各地で脅威を与えている侵略的外来樹木であるが,わが国ではハリエンジュほどには問題にされていない.野外で刈取りと火入れを行い,ニワウルシのシュート再生を調査した結果,シュート密度は0.27から2.79本/m2に増加した.さらに,根や切り株からの無性繁殖は切り株密度が高いほど多かったのに対し,種子からの有性繁殖は切り株密度が高い地点の方が少なかった.また,実生の大きさは,切り株からの萌芽や根萌芽よりも小さかった.ニワウルシは処理前のシュート密度が高い場合は,切り株や根から多くのシュートを再生した.有性繁殖は成長や競争にとって不利だが,ニワウルシは切り株や根がない場合には種子発芽により分布を広げた.これらの結果は,刈取りが無性繁殖を促進し,火入れが競争者を抑制することにより実生の成長と個体群の拡大を促進するため,ニワウルシの抑制を目的とした冬季の刈取りと火入れは避けるべきであることを示している.

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