Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)
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原著
Teinostoma (Calceolata) pusillum の所属変更
狩野 泰則加瀬 友喜
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ジャーナル オープンアクセス

2001 年 60 巻 1-2 号 p. 1-6

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抄録

ジャマイカより記載されたTeinostoma(Calceolata)pusillum(C. B. Adams, 1850)〔新生腹足上目 : イソコハク科〕について, 総模式標本の調査に基づき分類学的再検討を行った。本種の原殻は後成殻に対し傾いており, 表面には石灰質薄層の付加がみられる。また後成殻の殻口内唇は直線的で歯をもたず, 殻口内底唇付近には弱い突起がある。これらの特徴に基づき, 本種をNeritilia Martens, 1879コハクカノコ属〔アマオブネ上目 : コハクカノコ科(新称)〕に所属変更した。これにより, 本種を模式種として設立されたCalceolata Iredale, 1918は前者のシノニムとなる。なお, 和歌山県田辺市より得られた本種とされる標本(A.Adams, 1863, 1864)は, 別の未記載種のものである可能性が高い。

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© 2001 日本貝類学会
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