Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)
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原著
日本海溝から無人潜水調査船「かいこう」によって採集された原鰓類4種
奥谷 喬司藤原 義弘
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2005 年 63 巻 3-4 号 p. 87-94

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抄録

2000年7月,海洋研究開発機構(もと海洋科学技術センター)の無人調査船「かいこう」(支援船「かいれい」)によって日本海溝の主に水深7000m台から採集された4種の小型の原鰓二枚貝類4種について研究した。Katadesmia vincula(Dall,1908)シズクソデガイ7320mから2個体。これまで,大西洋産のMalletia cuneata(Jeffreys,1846)と同種で汎世界種とされていたが,太平洋産のものとは別種とされる。既に日本近海の水深5440-6210mから報告されているが,今回の採集は本種の最深記録と思われる。Neilonella profunda n.sp.フカミハトムギソデガイ(新種・新称)5225mから3個体,7320mから1個体。殻は薄質で,殻頂はほぼ中央。後端もあまり尖らない。殻表に不鮮明な同心円状の輪腺がある。靱帯は双位,前後歯弓の間の無菌域は殆ど認められない。Ledellina convexirostris Filatova&Schileyko,1984コトリソデガイ(新称)5225mから1個体。かつて旧ソ連のヴィチヤズ号が千島・カムチャッカ海溝の水深5030〜5070mから採集,記載された種。殻の後端は尖り浅い湾入がある。既に1969年ヴィチャズ号によって,日本海溝の水深6608mから採集記録がある。Yoldiella kaikonis n.sp.(新種)カイコウマルソデガイ(新種・新称)7299〜7333mの5潜航から合計24個体。殻長6.5mm,殻高4.9mm,殻幅3.4mm(ホロタイプ)。殻は楕円形を帯び,左右に良く膨れる。後腹隅湾入はない。殻表は微細な成長脈のほかに,顕微鏡的な断続する放射線条彫刻がある。弾帯受は貧弱であるが,内靱帯は大きい。後腹隅は丸く,湾入はない。

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© 2005 日本貝類学会
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