Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)
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短報
中部日本の中新統からのフーブリックオトヒメゴコロ近似種の産出
栗原 行人時田 徹
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2010 年 68 巻 3-4 号 p. 179-182

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抄録

Halicardia houbricki Poutiers & Bernard, 1995フーブリックオトヒメゴコロ(和名新称)は熱帯西太平洋のボルネオ島沖の漸深海帯から単一個体に基づいて創設され,原記載以来その産出記録が知られていない稀産オトヒメゴコロガイ科二枚貝である。著者の一人時田は千葉県鴨川市(旧天津小湊町)の海岸に分布する上部中新統安房層群天津層由来の泥岩転石からフーブリックオトヒメゴコロに比較される化石標本3点を採集した。天津層産の化石標本は変形を受けているが,いずれも殻表面に6本の放射肋を持っている。この特徴はニッポンオトヒメゴコロガイ属では唯一フーブリックオトヒメゴコロに特有のものであることから同種に比較できるが,保存不良のためHalicardia sp. cf. houbrickiと同定した。今回の発見は,フーブリックオトヒメゴコロ種群が後期中新世において北西太平洋に分布していたことを示しており,熱帯インド―西太平洋地域の深海性生物相の起源を考える上で重要である。

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