Venus (Journal of the Malacological Society of Japan)
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原著
南部マリアナトラフの熱水噴出孔付近から初めて発見されたシャクシガイ科二枚貝
陳 充奥谷 喬司渡部 裕美小島 茂明
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2018 年 76 巻 1-4 号 p. 39-44

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抄録

「しんかい6500」によって南マリアナ舟状海盆の熱水噴出孔付近,水深2,489 mから発見された微小なシャクシガイ科の二枚貝は化学合成生物群集の中から発見された最初のシャクシガイ類であり,最初の異靱帯類でもある。

Thermomya sulcata n. gen. & n. sp. ユメノシャクシガイ(新属・新種・新称)

殻長8.1 mm(ホロタイプ)。殻はよく膨れ,右殻が左殻より僅かに大きく不等殻。

殻体部には同心円状の板状肋がほぼ等間隔に並ぶ。嘴部は短く,筒状にはならず偏圧された亜三角形の翼状。嘴上では板状肋は退化し皺状の成長脈となり不規則な脈条が散在する。鉸板は無歯。左殻の歯丘滑層は厚い。シャクシガイ類のなかにはオオシャクシガイやミジンシャクシやオケゾコシャクシのように輪肋を持ったものがあるが,それらの輪状肋は何れも密で丸みを帯びており,本種のようなハナガイ類のそれのような間隔の空いた板状肋とは形状を異にする。

このような特異な形態学的特徴から新属を創設した。

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© 2018 日本貝類学会
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