2018 年 2 巻 2 号 p. 67-70
【目的】介護老人保健施設における褥瘡発生を減少させる為に褥瘡発生者の特徴を、OH スケール(芦名版)をもとに褥瘡発生リスク評価と再発率および発生部位で検討することである。【方法】システムを導入した2012年9月から2016年12月までの4年4か月間の当施設入所者1330名の内、褥瘡発生者220名を対象とし、スケールでのリスクの重症度と点数、再発率、および発生部位を後方視的に調査した。【結果】リスク重症度は中リスク群が一番多かった。再発率は再発者が49%であった。発生部位は臀部が一番多かった。【考察】中リスク群は個々によって身体能力に差があるが、褥瘡発生予防に対する意識や取り組みがされにくく、画一的な対応を行ったこと、体調変化により褥瘡発生のリスクが変動したことにより発生数が最も多くなったと考えられた。再発率は褥瘡が完治したことから、褥瘡再発生予防への意識が薄れ、褥瘡発生前の対応に戻った為、再発者が増えてしまったと考えられた。発生部位は殿部は範囲が広い為、座位時・臥床時共に圧がかかりやすく、特に座位時により圧がかかりやすいが、座位時間が長くなってしまうことによって発生頻度が高くなったと考えられた。