ビタミン
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セサミンの抗酸化作用(ビタミン・パイオファクターの新展開 : 健康と食)
木曽 良信
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2005 年 79 巻 1 号 p. 23-26

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抄録

ゴマは古来より健康を増進する食品として広く親しまれてきたが, 近年その様々な生理活性が科学的に解明されつつある. 中でもゴマに特徴的な成分であるリグナン類の持つ生理活性が注目を集めている. セサミンはこのゴマリグナンの一種であり, 含量が最も高く(0.5〜1%), 生理活性としてはこれまでに, コレステロール低下作用, 抗高血圧作用, 抗酸化作用, 肝臓保護作用, アルコール代謝促進作用, 肝臓がん予防作用, 乳がん発生抑制作用, 免疫賦活作用などが報告されている. 紙面の関係でそのすべてを紹介することはできないが, 最近そのメカニズムが明らかになってきた抗酸化作用を中心に紹介したい. 1. セサミンの抗酸化作用 ラットを用いてセサミン経口投与後の体内動態を検討したところ, セサミンは肝臓でメチレンジオキシフェニル基が開裂してモノカテコール体およびジカテコール体に代謝され, そのままあるいはメトキシ化を受けた後, グルクロン酸抱合されて胆汁中に排泄されることが明らかになった(図1).

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© 2005 日本ビタミン学会

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