雑草研究
Online ISSN : 1882-4757
Print ISSN : 0372-798X
ISSN-L : 0372-798X
原著論文
九州北部のムギ作圃場におけるスズメノテッポウ(Alopecurus aequalis)とカズノコグサ(Beckmannia syzigachne)の出穂と種子生産
大段 秀記住吉 正小荒井 晃
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 62 巻 1 号 p. 1-6

詳細
抄録

九州北部の水稲-ムギ類二毛作水田におけるムギ作圃場での主要イネ科雑草であるスズメノテッポウとカズノコグサについて,コムギ栽培圃場における発生日の異なる個体の出穂及び種子生産の特徴を調査した。出穂日については,両草種ともに発生日が遅い個体ほど遅く,その傾向はスズメノテッポウで顕著で,カズノコグサは比較的斉一に出穂した。出穂個体割合については,両草種ともに発生日の違いによる影響は認められなかった。種子生産個体割合は,スズメノテッポウで1月下旬発生個体で低下し,発生日の影響が認められた。個体あたりの穂数については,スズメノテッポウで最大8本,カズノコグサで4本となり両草種ともに発生日が遅い個体ほど少なかった。個体あたり種子生産数はコムギの播種直後の12月上旬発生個体で最も多く,スズメノテッポウでは平均で約1000粒,最大で約3000粒,カズノコグサでは平均で約500粒,最大で約1200粒であったが,発生日が遅くなるほど顕著に少なくなり,1月下旬発生個体では12月上旬発生個体の約10%であった。

著者関連情報
© 2017 日本雑草学会
feedback
Top