水稲乾田直播栽培において,ヒメタイヌビエとクサネムを対象に,埋土種子数と防除に必要な除草剤処理回数との関係を検討した。ヒメタイヌビエの埋土種子数が少ない場合(1,000粒/m2以下)は,水稲出芽直前のグリホサートカリウム塩液剤処理と乾田期ノビエ5葉期のビスピリバックナトリウム塩液剤,カルフェントラゾンエチル・フルセトスルフロン水和剤またはペノキススラム水和剤処理からなる計2回の除草剤処理で防除できた。ヒメタイヌビエの埋土種子数が多い場合(5,000粒/m2以上)は,入水後の一発処理除草剤を含む計3回の除草剤処理で防除できた。一方,クサネムについては,埋土種子数が多い場合(900粒/m2)でも,水稲出芽直前のグリホサートカリウム塩液剤処理と乾田期ノビエ5葉期のビスピリバックナトリウム塩液剤,カルフェントラゾンエチル・フルセトスルフロン水和剤またはハロスルフロンメチル水和剤処理からなる計2回の除草剤処理で防除できた。乾田期に出芽したクサネムが残存した場合は,入水後のピラクロニルを含有する一発処理除草剤の処理が有効であった。