雑草研究
Online ISSN : 1882-4757
Print ISSN : 0372-798X
ISSN-L : 0372-798X
茎葉処理型薬害軽減剤 Octamethylenediamine (OM) に関する研究
第1報 除草活性物質 N-(3, 4-dichlorophenylcarbamoyl)-N-methyl glycine・H2O (CD) に対するアミン系化合物の効果
沖井 三孔寺西 正行近内 誠登竹松 哲夫
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 24 巻 2 号 p. 96-100

詳細
抄録
アミノ酸系除草活性物質 N-(3, 4-dichlorophenylcarbamoyl)-N-methyl glycine・H2O (CD) をムギ作物, 特にコムギに無害な広葉選択性除草剤にする目的で, 茎葉処理によるアミン系化合物の薬害軽減効果を検索した。
(1) 顕著な選択的薬害軽減効果を示したアミンとして, octamethylenediamine (OM) 及びp, p′-diaminomethylbiphenyl (DABP) が選ばれた。しかしDABPはコムギに奇形を起こし, 不適であった。
(2) 薬害軽減効果を発揮するに必要なCDに対するOMの混合量は, 等モル量以上であった。OMのアミノ基の水素を他の有機ラジカルに置換した化合物の効果はOM以下であった。
(3) α, ω-Diaminoalkanes (DA) の効果は, 炭素数が偶数で高く, 奇数で低い傾向が認められた。これは, DA単用区の結果と概略一致することから, DAそのものの作用に起因していると判断した。
(4) OMが薬害軽減効果を発揮するためには第1アミンであること, 及び free base であることが要求された。
著者関連情報
© 日本雑草学会
前の記事 次の記事
feedback
Top