抄録
ミズガヤツリおよびクログワイについて, 塊茎形成に伴う根茎の内部形態変化, ならびに, その変化に対するナプロアニリドの作用をジベレリン酸 (GA3) およびベンジルアデニン (BAP) と比較して検討した。長日条件での栽培後短日条件に移すと, 両草種の根茎の内部形態には髄の肥大や髄柔細胞などに顕著な変化がみられ, 塊茎が形成された。ミズガヤツリでは, 3日後より, 細胞肥大と髄の肥大が, 7日後より, 細胞数増加, 細胞伸長と細胞内でのデンプン蓄積が認められ, いずれの変化も経時的に一層顕著になった。クログワイでも同様な変化がみられたが, ミズガヤツリに比べ細胞数増加が顕著であった。しかし, 長日条件では, このような変化はほとんど認められなかった。また, ナプロアニリドは両草種に対し, GA3はクログワイに, BAPはミズガヤツリに対して上記のような根茎の内部形態変化を抑制した。しかし, 抑制がみられた場合でも, それらの作用性は薬剤間で異なった。これらの結果から, ナプロアニリドによる両草種に対する塊茎形成阻害作用は, 塊茎形成に伴う根茎の内部形態の変化を抑制することにより発現するが, その作用性は GA3およびBAPの作用性とは異なるものと想定された。