雑草研究
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除草剤連用水田における雑草発生個体数からみた埋土種子量の動態
佐合 隆一小松崎 将一
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1995 年 40 巻 1 号 p. 8-13

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抄録

我が国においては一年生雑草に有効な除草剤が雑草防除手段の基幹となって30数年を経ている。こうした水田においては除草剤の連用による種子の再生産防止を通して埋土種子数の減少が考えられるが, その動態については未だ明らかにされていない。
神奈川県平塚市内で30年以上除草剤を連用している水稲単作田で, 1982年, 1983年および1994年の春期に調査水田から採取した土壌を一定量ポットに充填後湛水し, 発生させる方法で埋土種子からの雑草発生個体数の推移を調査した。主要な発生雑草は, タマガヤツリ, キカシグサ, アゼナ, ミゾハコベであった。調査を開始した1982年の4水田における全雑草の発生個体数は10,650本~2,264本/m2であったが, 1994年には1,847本~354本/m2となり, 平均して78.0%減少していた。このことは水田内における雑草の増殖サイクルのなかで除草剤の連用により埋土種子量が減少することを示しているものと考えられた。

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