雑草研究
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トリアゾールカルボキサミド誘導体の化学構造とタイヌビエに対する除草活性
神崎 充竹内 正毅白川 憲夫
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1999 年 44 巻 2 号 p. 139-143

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抄録

新規な1,2,4-トリアゾールカルボキサミド誘導体について, タイヌビエに対する除草活性と移植イネに対する安全性を指標として, 構造と活性を検討した。
1. 雑草発生前処理
高いタイヌビエ除草活性と移植イネに対する安全性を保有するには, ベンゼン環の2位と6位が低級アルキル基や塩素原子で置換されていることが必要で, とくに2,6-ジメチル置換体, 2-メチル-6-エチル置換体, 2-メチル-6-塩素置換体および2,4,6-トリメチル置換体が, 優れた除草活性とイネ安全性を示した。
カルバモイル基の置換様式は, N,N-ジエチルカルバモイル体およびN-エチル, N-プロピカルバモイル体が高活性に寄与し, アルキル基がメチルあるいはブチルでは劣った。イネに対してはいずれも高い安全性を示した。
トリアゾール環とベンゼン環の結合様式は, SO2体が最も活性が高く, SO体およびS体は劣った。イネに対しては, いずれも高い安全性を示した。
2. 雑草生育期処理
雑草発生前処理で優れた除草活性を示した化合物について, 2.5葉期の生育期のタイヌビエに対する除草活性を検定した。その結果, N, N-ジエチル-3-メシチルスルポニル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-カルボキサミド (一般名カフェンストロール) が最も高い除草活性を示した。

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