湿地研究
Online ISSN : 2434-1762
Print ISSN : 2185-4238
早期湛水水田における温室効果気体の動態
吉田 浩平清水 日香里和泉 香穂澤本 卓治吉田 磨
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2020 年 10 巻 p. 67-78

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抄録

メタン(CH4)や一酸化二窒素(N2O)は温室効果気体であり,水田は CH4 の人為的供給源の一つである.特に早期湛水有機水田であるふゆみずたんぼは CH4 の主要な供給源と指摘されてきた.そこで本研究では北海道美唄市のふゆみずたんぼと慣行田においてチャンバー法を用い,CH4 および N2O の放出量を求めた.ふゆみずたんぼではイトミミズの撹拌作用によって有機物含有量に富んだ土壌であるトロトロ層に保水性があり土壌が乾燥されにくい酸化還元境界領域が形成され,トロトロ層の保水性が原因で CH4 が放出されやすいことが示された.さらにトロトロ層の豊富な窒素分が CH4 放出を抑制していることがわかったが,N2O 放出量は土壌全窒素濃度と相関がなく,豊富な窒素分は N2O 放出にそのまま結びつかないこともわかった.ふゆみずたんぼにおいてトロトロ層の水分量や窒素濃度を管理できれば,CH4 や N2O 放出を抑制できる可能性が示唆された.

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© 2020 日本湿地学会
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