本研究では,時空間的に色成分の強さが変調された光を用いて,実物体の表面にその実物体に関する情報を不可視に付加する技術,および,その実物体の表面に付加された微弱な情報をその実物体をビデオカメラで撮影した画像から抽出する技術に関して,人間の目に対する不可視性,およびビデオカメラに対する可読性について調べた.付加される情報の種類は文字列パタンとした.不可視性の実験の結果,情報が青色成分に埋め込まれたとき,高い変調の振幅値で不可視性を持つことを示した.可読性の実験の結果,青色成分に情報が埋め込まれた場合の情報が抽出できる色成分の強さの変調の振幅値の下限が明らかになった.これらの結果から,不可視性と可読性が両立する青色成分の強さの変調の振幅値の範囲を明らかにし,提案技術の有用性を実証した.